全国通訳案内士試験の実施機関である日本政府観光局(JNTO)から2019年度の最終合格率が詳細に発表されました。 2019年度は最終的に全言語で合格者数が618人、合格率が8.5%となりました。 英語では最終合格者数が505人、合格率が9.2%となりました。
2018年度は合格率が2005年以降初めて10%を下回ったことで、話題となりましたが、2019年度はそれをさらに下回る8.5%となり、さらに注目を集めています!オリンピックイヤーという節目の年でもある2020年度の合格率はどのようになるか楽しみですね!
さて、難関国家資格の1つである全国通訳案内士試験ですが、最近の合格率はどのように推移しているのでしょうか?結論から申し上げると、近年は難化の一途を辿っており、資格を取得するのはますます難しくなっています。True Japan Schoolが編集したこちらのグラフをご覧ください。
2012年から2013年にかけて1次試験と最終合格率が増加に転じましたが、これは訪日外客数の増加に合わせて通訳案内士の需要が高まった為と考えられます。(訪日外客数は東日本大震災の起きた2011年に一度減少したものの、2012年・2013年からは200万人の増加を経て、現在に至っています。)
その後は1次試験、2次試験ともに合格率は年々下がってきており、2017年の2次試験は直近の10年で最も採点が厳しくなりました。さらにそこへ追い打ちをかけるかのごとく2018年、2019年も合格率は下がり続け、前述の通り、今年度は合格率が8.5%という非常に厳しい結果となったのです。
なによりも確実に言えることは、2020年度以降全国通訳案内士試験にチャレンジされる方は1次試験対策に今以上に力を入れていく必要があるという点でしょう。上記のグラフをご覧頂ければ一目瞭然ですが、2016年度から2019年度までは1次試験の合格率だけが一貫して低下しており、1次試験で大半の受験生がふるいにかけられていることがはっきりわかります。幸い2019年度は2次試験の合格率が回復しましたので、来年度以降受験される方はまず確実に1次合格を狙いたいところですね!
全国通訳案内士試験は2016年を節目に著しく合格率が下がり続けています。上記のデータを見て頂けるとわかるかと思いますが、元々通訳案内士試験は、弁護士や公認会計士と並ぶほど、難易度の高い国家試験と言われていました。この数年間で難易度が再上昇し、昔の試験のトレンドに戻っている傾向がうかがえます。
全国通訳案内士試験が難化している理由の一つに、国全体で、「全国通訳案内士」、つまり無資格ではなく、国家試験にしっかりと通って有資格者として活躍される方の地位を向上していこうという考えがあります。
具体的には、「通訳案内士」については、我が国の歴史や文化に関する正確な知識を有し、かつ、外国人旅行者に満足度の高い案内を行うことができる者として、憧れの職業となるよう位置づけを整理し直す
などの見直しを行うべきであるとの意見が出され、意見の一致を得た。
出典(一部改編):観光庁ウェブサイト|通訳案内士制度の見直し方針について最終取りまとめ|http://www.mlit.go.jp/kankocho/page05_000095.html
つまり、これからは試験もしっかりと難易度の高いものにして、本当に優れた方を試験を通して発掘していこう、そして、努力を重ね、試験に通った暁には、無資格の方々と差別化を徹底して、職業として独り立ちできるよう制度組みを重ねていこうということなのではないでしょうか。
これからは、試験も難易度が高まっていくでしょう。おそらくそれは避けられないと思います。しかし、難易度の高い試験だからこそ燃える!という方もいらっしゃるのではないでしょうか?合格率10%の壁、是非打ち破ってくださいね!
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