通訳力やプレゼンの魅力、そしてガイドとしてのホスピタリティ…あともう一つ合格に必要なものがあるとしたら何でしょうか?もし挙げるとするなら、それは「単語力」だと思います。今回は、2次試験突破に単語が必要な理由について考えていきたいと思います。
この通訳に使う単語、全部答えられそうですか?
2017年の出題例(1)
パクチーは、独特な香りから好き嫌いが分かれます。近年の東南アジア料理の人気が高まるにつれ、専門レストランができたり、スーパーでも売られるようになりました。以前は中国語や英語で呼ばれていましたが、今ではタイ語でパクチーと呼ばれています。
2017年の出題例(2)
東北の三大祭りの一つである青森のねぶた祭は、8月上旬に行われます。歌舞伎をテーマにした人形の山車とハネトと呼ばれる踊り手が街を練り歩く大変勇壮な祭りです。 最近では、ねぶた祭はアメリカ、フランス、ブラジルでも行われており、国際交流にも一役買っています。
出典:2017年True Japan School 2次試験受験レポート
(1)は相当意地悪な質問だな、と正直なところ感じました。第一声で「パクチー」と聞こえてきたら、半数以上が「おっと?」となるのではないでしょうか(笑) パクチーは「cilantro」とか「coriander」と言った単語があてがわれますが、この最初の部分で固まってしまった人の多くが憂き目にあったと思うと、心が痛みますね。
(2)の出題でも「山車」とか「勇壮な」などは、ぱっと英語が浮かんでこない単語ですよね。通訳問題は1分という短い時間の中で、訳しきらなければいけない問題。単語をスムーズに出す重要性がお分かり頂けたかと思います。
どういう単語を覚えておけばいい?
全国通訳案内士試験で重要になる単語は、つまるところ日本文化に関する単語ですが、今年のガイドライン改正によって、学ばなければならない単語の枠が広がりましたね。対応質疑の追加で、実務に使われそうな単語の重要性が増したのです。例えば、「保険」とか「総合病院」などの医療系の用語、「運転見合わせ」をはじめとした交通機関系の用語などが必要になってきました。今後はこれらの単語も視野に入れて語彙を豊かにしていくと、本番でも力になってくれることでしょう。
あとは、ベーシックな日本文化に関する単語ですが、これらは残念ながら、テーマ毎にこつこつと覚えていくしかないと思います。
日本文化の単語の他に意外と見落としがちなのが、普段私たちが意識しない言葉。例えば、食に関する動詞で、「(そばなどを)盛る」「ふりかける」って案外すぐに出てこないのではないのでしょうか。(私だけでしょうか…ちなみにそれぞれ「put」「sprinkle」が使われます)こういった単語は、プレゼンでも使う場面があると思います。注意して覚えておきたい単語ですね。
勉強がしにくそうなガイド試験の英単語ですが、日常生活を振り返ってみると、電車の英語アナウンスや、レストランでの外国語メニューなど、日常の時間の中で学べる単語は数々あります。日々の生活も工夫しながら効率的に勉強を進めていってくださいね。
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