本シリーズについて
全国通訳案内士をもう一度考える
2018年1月の通訳案内士法の改正から約1年。規制の緩和や試験の難易度の上昇など、2018年は既に資格を持っている方にとっても、資格取得を目指す受験生の皆さんにとっても、変化の1年でしたね。
法改正から1年が経とうとしている今だからこそ、今年受験をした方や、これから受験を考えている方と一緒に「全国通訳案内士」という資格について考えていきたいと思います。
現在日本では、国を挙げてインバウンド観光に力を入れていますね。
2020年の東京オリンピックや2025年の大阪万博の開催を控え、ガイドとして外国人のお客様のご案内をしたいと思っている方が多いのではないでしょうか。
そんな中、2018年1月4日に通訳案内士法が改正され、通訳案内士業務の規制が緩和されたことにより資格がなくてもガイド業務が可能になり、わざわざガイド団体や旅行会社に属さなくてもフリーランスで活躍できるとお考えの方もいるかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか?
シリーズ第3弾の今回は、True Japan Tour(株)(以下、TJT)で、国内のエージェント向けの営業やガイド派遣を担当しているExperience Management課の統括課長 高木健一氏がお伝えします。
インバウンドの現場から、お客様がなぜガイドを求めるのか、そしてエージェントや旅行会社がどうやってガイドさんを派遣しているのかをお伝えします。
お客様はどういった心境で日本でガイドを手配するのか
みなさん、こんにちは!
TJT Experience Management課の高木です!
いきなりですが、皆さんは日本でガイドを手配して旅行されるお客様がどのような心境でいらっしゃるか想像してみたことはありますか。
テクノロジーが発達したことにより、リーズナブルに旅行を楽しみたいお客様は、ガイドを手配せず自分たちだけで旅行を楽しむことも可能になりました。
しかし、ガイドさんを手配してでも旅行をしたいというお客様の数は着実に増えています。
ガイドをわざわざ手配してでも最高の体験を求めている
では、なぜお客様は高い金額を払ってまでガイドを雇って旅行をしようとするのでしょうか。
- 日本語が分からないから?
- 交通機関の乗り継ぎなどが不安だから?
そういった不安を解消したいからという事ももちろんガイドを頼む理由の一つではあるでしょうが、
- せっかく訪れた日本の旅を最大限に満喫したい
- 単なるガイドブックや情報サイトでは得られない、深い体験をしたい
とお考えのお客様が、せっかくの旅行で失敗したくないと考えてガイドを手配されているのです。
アジアのお客様や年齢の若いお客様は、スマホを駆使し、自分たちで探したスポットを自由に見て回ることも、そういった際に、比較的リーズナブルなフリーランスのガイドを自前で手配することもあるかもしれません。
ただ、先日の池田部長のブログでもご紹介したとおり、私たちTJTのお客様は北米や、ヨーロッパ、オセアニアからお越しになる方が圧倒的に多く、そういったお客様は高価で長時間のフライトで日本にやって来られます。
そしてそういったお客様の多くが、こうお考えの傾向にあるようです。
安価で質に疑問のあるガイドを雇うぐらいならば、多少高価でもよいガイドに最高の旅を演出してもらいたい
エージェントからのガイドニーズが急増中
また、そうしたお客様の多くは、訪れる場所や体験についても自前で計画するのではなく、事前に信頼のおけるツアーエージェントのメニューを使ったり、あるいは個別に相談したりして旅程を作り上げることが多いです。
その中で、エージェントは事前に作った旅行プランを最高の形でお客様に提供できるツアーガイドを探しているのです。
これは先日あるエージェントから聞いた話ですが、今、日本でツアーを販売する際、最大のウィークポイントがあるそうです。皆さんなんだか分かりますか?? それは…
大がかりなプロモーションを行い、お客様の日本に対するニーズはこれまでになく高まっていますが、質の低いツアーを提供するとSNSや口コミサイトを介して悪い評判が一瞬で広まり、会社として致命的になります。
だからこそ、お客様のニーズがそこにあって、ツアーも求めているお客様がいても、良いガイドさんが見つからなければツアーを受け入れることができない、という事で状況は深刻なようです。
ガイド手配は信頼できるガイド団体へ
このように、訪日外国人旅行者数が急増する今、ツアーエージェントは常にガイドさんを探しています。
しかしだからと言って、そういったエージェントが規制緩和で新規参入してくるノンライセンスのガイドを活用するかというと、そんなことはありません。(シリーズ第1弾参照)
上述の通り、エージェントが求めているのは、お客様に満足を提供できる質の約束されたガイドです。
ノンライセンスのガイドを手配して、万が一何か問題が発生したり、お客様から大きなクレームが来たりしたら、会社の評判は一気に落ちてしまいます。またお客様からの信頼も失ってしまいます。
日本最大の通訳案内士団体であるIJCEEのグループ会社である私たちTrue Japan Tour(株)は、ガイドの層が厚く、また研修や検定などで質を保証したガイドを手配し続けてきたことで、国内外のエージェントからもお客様からも大きな信頼を獲得してきました。
そのお陰でTJTには、既に2019年、2020年に向けて複数の大手外資系旅行会社からガイド派遣の依頼が大量に来ています。
このようなことから、法改正はあったものの、これから伸びていくガイド需要に対応できるのは以下のようなガイドさんたちであると言えるでしょう。
全国通訳案内士の資格を持ち、ガイド団体で適切な研修や業務経験を積んだガイドさん
もちろん、今後ガイド手配サイトなどが整備され、個人的に良い評価を集めればフリーランスでも集客することができるようになるかもしれません。
しかし、少なくとも多くのお客様に対応する必要があるエージェントに限っていえば、質の高いガイドを安定的に提供できる旅行会社やガイド団体に業務を発注することは今後も変わらないと思われます。
所属するガイド団体を選ぶポイント
ガイド団体に所属したとしても、扱っている業務量が少なかったり、偏った業務ばかりを受けていたりしている場合ですと、どうしてもいつもアサインされるのは一部の会員さんのみになってしまい、入会したところでガイド経験を積むことができず、結果、業務経験が不十分であるためにアサインがもらえない、という悪循環に陥ることもあるというお話を聞きます。
だからこそ皆さんが全国通訳案内士の資格を取得して「良い仕事をしたい!」「お客様に最高のExperienceを提供したい!」とお考えなのであれば、一番の近道はズバリ…
評価が高く、より多くのガイド機会がある団体に属して業務機会を得ること
また、研修に参加したり、イベントに参加したりすることで他のガイドさんとの交流を図り、様々な業務に関する情報を入手することもできますし、何より通訳案内士同士のネットワークができます。
フリーランスでお仕事をされているガイドさんは自由である反面、情報収集等に苦心しているというお話も伺います。
ぜひ、TJTやIJCEEをフルに活用して、皆さんのガイドライフを実り多きものにしてください!
TJTの強味とTJTならではの業務
TJTには大きく以下の3つの強味があります!
-
社内の海外営業部門(Global Sales Team)の圧倒的な営業力!
→海外の旅行市などに積極的に出店し、世界中のお客様にTJTのツアーを利用してもらっています。 -
国内大手エージェントからの業務受注により発生する、大量のガイド業務!
→母団体が日本最大の通訳案内士団体だから良いガイドさんを安定的に供給、強い信頼に繋がっています。 -
幅広い業務を取り揃えているので、段階的なガイド経験を積むことが可能!
→送迎などの初心者向け業務から、難易度の高い長期ツアーまで自分の技量に合った適切な業務に就けます。
先に書きましたように、我々もどんどんと良いガイドさんを育成して、エージェントからの依頼にどんどんと答えていきたいと思っていますので、よろしくお願いします!
また、TJTでは、さらにガイドの皆さんがより働きやすく、そして伸び続けるニーズによりスムーズに対応すべく、TJT認定ガイド制度というものを新設しました。その詳細については、今後のブログでお伝えします!乞うご期待!
以上、ガイド派遣の現場から、なぜお客様がガイドを求めるのか、でした!
次回、シリーズ第4弾はTrue Japan Tour(株)がこの程始動させた、TJT認定ガイド制度という画期的なシステムについてご紹介します!資格取得後、しっかりガイド力を磨いていけば安定的にガイド業務に就くことができます。乞うご期待!
人気シリーズのバックナンバーはこちらから
日本最大の通訳案内士団体「日本文化体験交流塾」のご紹介
- NPO日本文化体験交流塾(以下、IJCEE)は会員数1,724名(2018年12月22日現在)を擁する日本最大の通訳案内士団体です。
- 1,724名の会員様のうち、1,500名以上が全国通訳案内士の資格をお持ちです。
- 全国通訳案内士の資格を持っていなくても、「外国のお客様に日本の文化を広めたい!」という志があり、私たちの理念「日本文化の継承・発展・創造」に共感して下さる多くの方が会員様として活躍されています。
- IJCEEは特定非営利活動法人として東京都に正式に登録をしています。
- IJCEEは2018年12月に創立10周年を迎えました。
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